スタッフブログ

「いのちをつなぐ学校」スタッフ
による活動報告です。

twittertwitter
facebookfacebook
lineline

持続可能な地球のために、サラヤができること

2023.08.04

こんにちは。「いのちをつなぐ学校 by SARAYA」のスタッフの森です。

前回、日本から最も近い熱帯ジャングルである「ボルネオ島」についてお話させていただきました。およそ1億年前にできた貴重な自然には、多種多様な生命が息づいていますが、ここである問題が起きていることを、サラヤは知りました。

それは、「パーム油」の生産に由来しています。ポテトチップスやカップラーメン、チョコレート。これらの原材料名に表示されている「植物油」の多くは、アブラヤシというヤシの実から採れるパーム油です。パーム油は、約8割が食べるために使われ、残りが化粧品や洗剤などに使われます。
生産国のひとつであるマレーシアでは、1970年代にパーム油の生産が国から推奨されたことをきっかけに、アブラヤシのプランテーションが増加し始めました。そして近年、世界的な需要増加によってプランテーションの面積が急速に拡大しています。
その結果、元々その土地にあった熱帯雨林が減ってしまい、そこに住む動植物の絶滅危機が大きな問題となっていたのです。サラヤは、パーム油を生産者から直接買っていたわけではなく、加工された洗剤原料を商社から購入していたため、パーム油の収穫地で問題が起きていたことを把握できていませんでした。そのため、熱帯雨林に生息する動物たちが危機に瀕していると知って、とても驚きました。

そこで、すぐに現地調査を行い、ボルネオがどのような状況にあるのかを調べました。
すると、本当にボルネオの熱帯雨林が伐採され、住処を失った動物と住民の間で衝突が起きるなど、問題が起きていました…

熱帯雨林の伐採が進んで大問題になっているなら、他の植物油に変えればいいのでは…!と思う方もいらっしゃるかもしれません。
ですが、実はパーム油は1年を通して実をつけるのと、単位面積当たりの収穫量が他の植物油よりもはるかに高い優秀な作物なんです。

つまり、他の植物油に変えると、もっと森林伐採が進んでしまうんです…
そして、パーム油産業はマレーシアやインドネシアの主要産業なので、突然パーム油を使いません!というと現地の人の大切な収入源を奪うことになります。

サラヤはパーム油を使用している企業として、この状況を見過ごすわけにはいかない!と思い、ボルネオの生態系の保全に貢献しようと決意。
それ以降、ボルネオの森を回復させる「緑の回廊プロジェクト」、伐採によって分断された森に橋をかけることで動物が行き来できるようにする「命の吊り橋プロジェクト」、住処を失った野生動物を助ける「野生動物の救出プロジェクト」、環境と人権に配慮したパーム油の普及活動など、約20年にわたっていろいろな取組を行っています。

プロジェクトの詳細はこちら
https://www.saraya.com/conservation/

また、この取り組みをサラヤと一緒に行っている認定NPO法人ボルネオ保全トラスト・ジャパン(BCTJ)の理事長である、黒鳥英俊さんのインタビューでも詳しくご紹介していますので、是非、ご覧ください。

(前編)

専門家にきいてみた! BCTJ 黒鳥英俊さん(前編)オランウータンと動物園

(後編)

専門家にきいてみた! BCTJ 黒鳥英俊さん(後編) パーム油でつながるボルネオとわたしたちの暮らし

今回はサラヤがボルネオでの活動を始めたきっかけをご紹介させていただきました!